これまで番組で紹介した村を再び訪れ、新たに撮影した村や主人公たちの
‟いまの姿”を、当時の映像と共にお送りいたします。
イタリアの南、コッリチェッラ。ナポリの沖合に浮かぶプロチダ島の村。切り立った崖にカラフルな家々が折り重なるように建つ。17世紀頃から漁師たちが住み始め、古くから漁村だった。懐かしい漁村の風景が人気となり、夏はバカンス客であふれる。2022年には、「イタリア文化首都」に選出され、華やかなイベントが開催される。観光地として賑わうコッリチェッラだが、村人は、漁で暮らしてきた歴史と記憶を大事に生きている。2007年から14年ぶりに、主人公と家族のその後を見つめる。
*元漁師・ルイージの息子/ヴィンチェンツォさん(64歳)
今は亡き元漁師・ルイージの家族を訪ねた。ルイージは、8歳から漁に出て70歳まで現役、村一番の漁師として評判だった。毎日、村はずれの自宅から、商店街のある通りまで、坂道を登り降りするのが日課。ルイージが船を降りてからも慕われていたのは、村人のために毎朝、教会の鍵を開けていたからだ。そんなルイージが建てたのが自宅の上の小さなホテルだった。
ホテルは現在、かつて父と共に漁師をしていた長男のヴィンチェンツォら息子たちの手で立派に経営されている。コッリチェッラの海を一望できるリストランテは村一番の人気だが、この地はかつて廃墟だった。ルイージは、なぜホテルを始めたのか ー ホテルに飾られた一枚の絵にルイージの思いが秘められていた。
*元タンカー機関士/フェリーチェ・パガーノさん(79歳)
元タンカー機関士のフェリーチェ。若い頃には、魚がとれなくなり漁師で生計をたてるのは厳しい時代だった。村を出て船員となり世界を巡った。しかし、家族や仲間、村の風景が恋しくて、帰ってきた。仕事は、夜間バカンス客のボートの見張り番や水道や電気工事、村で暮らせるなら、何でもいとわずやっていた。趣味は運任せの宝くじ。あれから14年、80歳間近のフェリーチェは、ボートの見張り番はやめていたが、相変わらず真っ暗な時間から起きていた。港を歩きまわる理由とは?
そして長年、フェリーチェが大事にしてきた趣味には、村への思いが込められていた。
断崖にある美しい村で、かけがえのない思い出を大事に生きる村人の物語です。
小さな村の物語 イタリア(BS日テレ)
土曜日18:00~18:54 放送
日曜日10:00~10:54 放送
※使用楽曲や歌手名などはこちらのホームページをご覧ください。